生成AI活用プロジェクトの紹介
はじめに
こんにちは!KTCでデータサイエンティストをしている和田(@cognac_n)です。
2024年1月にKTCにおいて「生成AI活用PJT」が発足し、この度そのメンバーとしてアサインされました。今回はこのプロジェクトについて紹介をしようと思います。
生成AIとは
文字通り「新しいデータを生成するAI」を指します。2023年11月にOpenAIがChatGPTを公開したことで、一躍注目を集めるようになりました。
AIはこれまで幾度もの一時的なブーム(*1)を繰り返してきましたが、生成AIの発展による「第4次AIブーム(*2)」は単なるブームを超えて、生活や仕事への定着がはじまっていますね。これからますます盛んになるであろう生成AIの活用は、生活の常識、仕事の常識の多くをひっくり返してしまうほどのインパクトがあると、私は考えています。
これまでの取り組み
プロジェクトの発足は2024年1月ですが、生成AIの活用には以前から取り組んでいました。取り組みの一部を、少しだけ紹介します。
- AI ChatBotを社内用のSlackBotとして内製開発
- 生成AIをテーマにした社外向けハンズオンイベントの開催
- 生成AIツールの社内普及活動
- 生成AIを活用した、カスタマーセンター業務のDX
- 生成AIを活用した、新規サービスの企画〜開発
などなど。しかし実は工数事情により、泣く泣く着手ができなかった取り組みもたくさんあります・・・。
今回、プロジェクトとして正式に組織が立ち上がったことで、さらに幅広く、生成AIの活用を推進していけると思います。今から楽しみです!
プロジェクトが目指すこと
私たちの姿勢
大切にしたいのは、技術を通じて「会社の事業活動に貢献すること」です。
目指すのは、「課題解決型の組織」として社内の課題を圧倒的な「スピード、質、量」で解決していくこと。試して終わりの評論家となるのではなく、あくまでも価値にこだわる組織として活動していきます!
会社に与えたい影響
従業員のひとりひとりが、当たり前に生成AIを活用できる会社となることを目指します!
・・・とはいうものの、それってどんな状態でしょうか?
- 「この業務は生成AIに向いている、任せられる」と気づくことができる
- タスクに応じた、基本的なプロンプトの作成ができる
- 「生成AIによるアウトプット」を受け入れることのできる文化が醸成されている
例えば、こんな状態でしょうか。激しく変化する生成AIの世界で、
どんな姿を目指していくべきか?は常に考え続ける必要があると思います。
そのために・・・
プロジェクトでは現在、生成AIについての取り組みを3つのレベルに分けて考えています。
- レベル1:既存のシステムで、まずは「やってみる」
- レベル2:最低限の開発で、更に価値を生み出す
- レベル3:事業に与える価値を最大化する
レベル分けと取り組みの進め方は、以下のようなイメージです。
生成AIについての取り組みレベル分け
取り組みの価値を見積りながら、適切なレベルを目指していく
これは全ての取り組みでレベル3を目指すべきという意味ではありません。レベル1の段階で十分な価値の創出ができれば、費用と工数をかけてレベル2に進める必要がない場合もあるでしょう。重要なのは、たくさんのアイデアをレベル1で「やってみる」こと。その為には、会社の非エンジニアも含めた全社員がレベル1を実施可能なくらい、高いAIリテラシーを備えていることが理想的です。
今後、取り組んでいきたいこと
伴走型の「やってみる」から
社内で使える生成AIツールが導入されて数ヶ月経ちますが、まだまだ「何ができるか分からない」「いつ使えばいいか分からない」という声を聞きます。まずは生成AIの知見がある私たちが「どんな業務が生成AIに向いているか」「どんなプロンプトを書けばいいのか」と丁寧にサポートしながら、生成AIの活用事例を増やしていこうと考えています。
- 最初は丁寧なサポートを受けながら「やってみる」
- 社内で生成AI活用した価値の創出事例を増やす
- 社内の生成AI利用を「当たり前」に
自律型の「やってみる」へ
伴走型の課題解決だけでは私たちの工数がボトルネックになってしまい、スケールしません。業務担当者自身が「この業務は生成AIに向いている、任せられる」と気づき、基本的なプロンプトでレベル1の活用を「やってみる」ことができるようにしていきたいです。
- レベル1の活用を業務担当者自身ができるようにする
- レベル1の改善や、レベル2へ進むための相談を私たちが受け付ける
それらを実現する為の研修
社員のAIリテラシーを底上げするための内製研修を充実させます。
多くの社員が生成AIについて共通の認識を持ち、生成AI活用についてスムーズな会話ができたり、生成AIによるアウトプットを受け入れることができる文化の醸成を狙います。
- 内製のITリテラシー研修を充実させる
- 職種やスキルレベルに合わせて、研修を作り分ける
- 画像生成編、要約編、翻訳編など細かな粒度で実施する
- 受講者のフィードバックをもとに、本当に必要とされている研修を短納期で提供する
情報発信
このテックブログをはじめ、様々な媒体で私たちの取り組みを発信していきます。生成AIの技術レビューや、プロジェクトの取り組み紹介など、さまざまなコンテンツを計画中です。ぜひお楽しみに!
おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
抽象的な話が多くなりましたが、私たちのように、生成AI活用を目指す方の参考となれば幸いです。
参考文献
[*1] 総務省. "人工知能(AI)研究の歴史". (参照 2024-01-16)
[*2] 野村総合研究所. "生成AIで変わる未来の風景". (参照 2024-01-16)
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生成AI活用PJTについて生成AIの活用を通じて、KINTO及びKINTOテクノロジーズへ事業貢献することをミッションに2024年1月に新設されたプロジェクトチームです。生成AI技術は生まれて日が浅く、その技術を業務活用する仕事には定説がありません。
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