SRE NEXT 2025振り返り - KINTOテクノロジーズの運営メンバーによる座談会

1. イベント概要
2025年7月11日、12日に5回目の開催となるSRE NEXTが開催されました。弊社はプラチナスポンサーとして、企業ブースの出展とスポンサーセッションへの登壇をしました。
数多くの素晴らしいセッションに加え、スポンサーブースや書籍コーナーにて多くの方々と交流させていただくことができ、非常に貴重な2日間を過ごすことができました。
本記事では、今回が初出展となったKINTOテクノロジーズのメンバーとイベントを振り返る座談会をした結果についてお伝えします。
2. KINTOテクノロジーズとSRE
2-1. どんな組織
KINTOテクノロジーズはトヨタグループ初の内製開発組織としてクルマのサブスクKINTOを始め、コンシューマー向けのモビリティ関連サービスのシステム開発や保守運用をしています。2025年7月現在で約400名のエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーなどが在籍しており、社内外に提供するサービスを開発しています。
このような組織の中でSREチームはプラットフォームを担当する部署の1つのチームとして、プロダクトチームと連携して信頼性の維持向上や開発者への支援を行っています。
2-2. SREの現状
当日のスポンサーセッションにて長内が発表しましたが、KINTOテクノロジーズでは横断組織が充実しており、クラウドインフラエンジニア、DBRE、プラットフォームエンジニアリング、セキュリティ専門部隊、CCoEおよびファイナンス連携する部隊など、多くの企業でプラットフォーム系SREsが担っているであろう責務の多くを複数のチームで分担しています。
当日の登壇資料はこちら👉 ロールが細分化された組織でSREは何をするか? - Speaker Deck
SREingの実践を推進する2名のエンジニアはプロダクト開発チームと連携してプラクティスの実践を試みていますが、サービスレベルをビジネス指標や開発プロセスと結びつける難しさや、チームトポロジーにおけるプラットフォーム・パターンでのアプローチの難しさを感じながらも、自分たちができる価値提供のありかたを試行錯誤し続けています。
2-3. 出展のモチベーション
KINTOテクノロジーズでは2022年にテックブログチームを立ち上げ、2023年にはテックブログ"チーム"から技術広報"グループ"へとステップアップし情報発信に力を入れました。
2024年にはカンファレンスのスポンサー活動を開始し、最近でも開発生産性カンファレンスに代表の小寺が登壇したり、さまざまなジャンルのカンファレンスに協賛したりと、エンジニアコミュニティを支援しています。
エンジニアたちが直接コミュニケーションを取れるカンファレンスという機会はこの界隈の魅力だなと感じており、この機会に携われていることを嬉しく思っております。
KTCのSREの領域はメンバーが少なく、これからの成長を目指すフェーズなので、まずはKTCのSREの存在を知ってもらうこと、
そしてロールが細分化されているといったKTCならではの環境下において、我々ならではの苦悩や取り組みを共有することで、同じような課題に取り組む方々への参考となればというモチベーションでスポンサーセッションを行うことにしました。
3. 当日の動き
3-1. ブース運営
弊社は来訪者のみなさんに「あなたの”NEXT”は?」というテーマで付箋を貼ってもらい、ご協力いただいた方にはガチャガチャを回してノベルティをプレゼントをしていました。KINTOのマスコットキャラクターである「くもびぃ」のぬいぐるみ(大/小)や、トヨタ車のトミカをノベルティの1つとして提供していましたが、みなさんにとても好評でした。
スポンサーブースで提供したノベルティ
ブース運営1日だけでボードが埋まるほどの”NEXT”を皆さんに記載いただき、参加者の方々と今年のテーマでもある「Talk Next」を一緒に体験することができました。
訪問いただいた方々に多くの”NEXT”を記載いただきました
3-2. 登壇
弊社からはスポンサーセッションとして、SREチームの長内が「ロールが細分化された組織でSREは何をするか?」というタイトルで発表しました。初めての外部登壇ということで非常に緊張する様子が伺えましたが、日々悩みながらも地道に取り組んだ成果ということもあり、本人も納得のいく発表ができたようです。
初めての外部登壇で緊張している長内
登壇後はどのような反応をいただけるか非常に不安でしたが、幸運にも数多くの方にAsk the speakerの場に訪問いただき、20分の発表時間には入れられなかった裏話なども含めて楽しくお話しさせていただきました!
Ask the speaker の様子
3-3. 新しい学び
弊社は若手エンジニアも多く、外部イベントへの参加に慣れていないメンバーも数多くいます。今回のイベントはそういったエンジニアの刺激になる体験も多く、「詳解 システム・パフォーマンス」の著者であるBrendan Gregg氏を始め、著名なエンジニアの方々と交流できたのは非常に貴重な機会となりました。
Brendan Gregg氏とのツーショットに興奮する若手エンジニア
また、クラウドエンジニアとしてキャリアをスタートした若手エンジニアは、物理ネットワークを支える技術には疎いという課題があったのですが、会場でディスプレイされていたネットワークルーターやスイッチなどの役割について非常に分かりやすく解説いただくような機会もあり、技術力向上に直接的に役立つような経験もすることができました。
物理ネットワークを知らないクラウドエンジニアがルーターやスイッチについて教えてもらっている風景
3-4. 参加者との交流
今回はスポンサーとして、KINTOやKINTOテクノロジーズを多くの方に知っていただくことを目的に参加しましたが、実際にはそれ以上に、参加者の皆さんとの交流から得られた刺激や学びが何よりの収穫になりました。
訪問者と歓談する運営メンバー
4. 参加メンバーによる座談会
前述のようなとても楽しい二日間を過ごした運営メンバーにて、振り返りの座談会をしてみました。
SRE: 長内、kasai / クラウドインフラ: こっしー、白井 / 技術広報: ゆかち
オフィスで座談会をする運営メンバーたち
4-1. 何が一番印象に残ってる?
kasai「ずっとブースにいたのでセッション見れてないですが、ブースで来てくれた人と話してて、SREの仕事をする中でどう生成AIを使っていくかということに悩まれてる方が何人かいたのが印象的でした。」
長内「自分の発表に興味を持って聞きに来てくれた人がいたのが、すごく嬉しかったです。その後のAsk the speakerでも直接話しに来てくれる人がいて、本当にありがたいなって思いました。」
白井「参加者全員のイベントを絶対成功させようという熱量が1番でした。Talk Nextということで、みなさんがノウハウを共有しあい、互いにリスペクトを持って話している姿が良いなーと感じました。運営の方にはSRE NEXTを作り上げてくださったことに感謝しつつ、チャンスがあれば運営側として参加させていただきたいなと思いました。」
こっしー「私はコミュニティの熱量の高さが一番印象に残ってます。真剣にセッションを聞く方もいれば、色んな場所で楽しそうに交流する方々もいて、同じテーマで日々悩む方々が経験を共有する場としてとても良い場所だなって思いました。」
ゆかち「今回運営協力してくれたみんなのコミュ力の高さですかね!それぞれの人柄が出ており、楽しそうにブース対応しているのを見ていて嬉しかったです。せっかくなのでXにポストしたハイライトもみて欲しいです(笑)」
4-2. 初の外部登壇どうだった? To 長内さん
長内「知らない人の前で何かを発表したのって、もしかすると小学生の時のピアノの発表会以来かもしれないです…(笑)」
こっしー「今回の登壇にはどんなモチベーションがあったんですか?伝えたいことがあるとか、ここは皆とシェアしたいとかそういうものがあったんですか?」
長内「最初のモチベーションとしてはまずKTCのSREという存在を認知してもらおうっていうのがメインでした。じゃあそのために何話そうって考えてたんですけど、スポンサーが決まった時点ではこれだ!って思えるものがなくて…
でも登壇することが決まった以上は聞いてくれる人に何かしら刺さるネタを話したいよねってなって、その中で今回の発表にもあった改善ツールの案とかも出てきて、そこからアウトラインが徐々に決まっていきましたね。そこが決まってからは話したい内容で情報量が不足している部分を追加で集めつつ、今までやってきたことも繋げていく感じで。登壇をきっかけに、自分たちの今後やっていくこともある程度見てきたこともあって、登壇駆動でかなり成長できた気がします。」
こっしー「ブースでもKTCさんの発表良かったですって言って頂く方も多かったんですが、Ask the speakerではどういった質問がありましたか?」
長内「発表の中にあったNew Relic Analyzerがどのような仕組みで動いているのかだったり、Devinの提案の精度を上げるためにどのような取り組みをしていきたいかなど、発表のことだけでなく足を運んで頂いた方の課題感なども交えて色々なことをお話しできました。それと、以前一緒に働いていた方も足を運んでくれて、当時の話もしつつ互いの近況を伝え合う良い時間になりました。」
こっしー「同じような領域で悩みを抱えている企業さんとか、やろうとしているけどやれないような障壁に対してどうやってアプローチする?みたいな質問があったりしたんですね。」
長内「そうですね。やっぱり皆さん似たような悩みを抱えているんだなというのを実感しました。」
ゆかち「そういえば登壇を私の隣で聞いていた人が1日目にブースに来てくれていた方だったので、登壇後に声かけてみたら福岡に住んでる方で、7月に福岡拠点できたんです〜!というお話から福岡で開催するイベントに招待できたんですよ! 長内さんの登壇を聞いた上で弊社に興味持ってもらえたようなので、すごい嬉しかったです!」
長内「SRE NEXTの2日後に面接する方も来てくれてて、発表も聞いてもらったことでよりKTCのことを理解してもらえたんじゃないかなって思いました。」
こっしー「初の外部登壇、緊張したけど、想定してなかったこととか、イメージしきれてなかったことも特になかった?」
長内「本当は3日前くらいから何も食えなくなるくらい緊張してる想定だったんですけど、意外と緊張しないなと思って。結構ご飯食べれるじゃんってなってました。」
ゆかち「初めてだし、とちゃんと念入りに準備してたからなんだろうね。」
長内「そうなのかもしれない。意外と前立っても、みんなが見える位置にバーって座ってくれてたのもあるし、発表中もこっしーさんのカチューシャに付いてるくもびぃと目が合ったりして、自分としてはリラックスして喋ったつもりでした。ただ、写真を見たらめちゃめちゃ険しい顔してて、こんな顔してたんだ俺…って思いました(笑)」
こっしー「直前めっちゃ目が血走ってたよね。僕は長内さんは全然喋れるかなと思ってたけど、みんなが煽るし緊張してる感じになってるから、始まる直前こっちがドキドキしてきて(笑)
でも、意外と安定してたし話の内容も隣のチームとしても勉強になるものとか、そのアプローチすげぇみたいなものがいっぱいありました。」
ゆかち「あの日ちょっと後悔したのが、発表前にみんなで前行って背中叩きにいけば良かったなって(笑)
こっしーさんや白井くんが登壇するってなっても心配はないんですけど、長内さんって今まで外部登壇経験もないし、顔がこわばっているのもあってすごい心配でした(笑)
でも話し出したら安定していて、なんか感動しちゃいました(笑)」
こっしー「結果、やって良かったと!」
長内「次回以降の課題は表情管理ですね(笑)」
4-3. Talk Next~次に何やる?~
kasai「今改善ツールを作ってるんですけど、それはやり切りたいと思ってますし、それをやる過程で喋れることがさらに増えると思うので、それをまた外部に発信していけたらいいなと思っています。」
長内「自分としても改善ツールの品質や提案の精度を上げるというものもありますが、やっぱりこういったツールは使ってもらう人に興味を持ってもらわないことには始まらないので、開発を続けつつ、色んなプロダクトの人たちへの普及活動ということもやっていきたいです。あとはサービスレベルの部分もエンジニア内で決めようとするとうまくいかなかったという結論にしましたが、事業側の人たちと会話して、どれくらいの品質が必要かといったことも話せるようになっていきたいですね。」
白井「今回のイベントを通じてカンファレンスの運営などに携わって色んな人とのネットワークを広げたいと思ったのと、もっと開発者目線で使いやすいプラットフォームを作っていくぞというモチベーションに繋がりました。」
ゆかち「白井くん今回初めてブースに立ってもらったけど、そうやって言ってもらえるといいきっかけになったな〜と思えて嬉しい!今回は、粟田さんやこっしーさんがSRE界隈で知り合いが多くて、KTCを知ってくれている人が多かった気がしていて、みんながそうやってネットワークを広げていってくれることでKTCの知名度も上がっていくし、何より知り合いが増えれば増えるほどカンファレンス参加が楽しくなるので、もっとみんなにも前のめりに参加していって欲しいな~と思いました!」
こっしー「もっと社外の皆さんとコミュニティを盛り上げていけるようにしたいし、そのために社内での文化作りとかプラクティスを実践していきたいですね。」
5. まとめ
5-1. 学んだこと
今回のSRE NEXTでは各社の発表や参加者の方々との交流を通じ次のようなことを学びました。
- 同じような課題感を持っていることも多いが、会社の数だけアプローチがあり、似たアプローチでもその結果は様々である
- エンジニアリングだけでなく、ビジネスや組織といった観点からもSREのアプローチを考えることが大切である
- プロダクトチームとの信頼関係作りがSREの活動に大きな影響を与えるという話が多く、日々のコミュニケーションの重要性を再認識した
5-2. KTCのSREの「NEXT」
これらを踏まえ、KINTOテクノロジーズのSREは次のようなことに挑戦したい(目指したい)と考えています。
- 改善ツールの更なる発展と普及活動
- 事業側に越境した妥当性のあるサービスレベルの策定
- 得られた知見を社内外に発信し、コミュニティの活性化に貢献する
6. さいごに
SRE NEXTの運営の方々をはじめ、ブースに来ていただいた方、セッションを聞いて頂いた方、弊社メンバーと交流して頂いた方、大変ありがとうございました。
初めてのSRE NEXTスポンサー、すごく良い経験になりました。今後もSREingの実践と試行錯誤に励み、新しい学びの共有をできる機会を楽しみにしております!
KINTOテクノロジーズから参加した運営メンバー
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