Agent Store v1.0リリース:社内エージェント開発を効率化する社内プラットフォーム

はじめに
こんにちは、AIファーストグループのAlexです。
AI技術の急速な発展に伴い、エージェント開発の需要も高まっています。しかし、エージェントに関する最新技術の知見の共有不足や、開発リソースの分散により、効率的なエージェント開発を始めることが難しい状況にあります。そこで私たちは、社内各所で開発したAIエージェントを社内で共有し、技術・ノウハウを集約するためのプラットフォーム「Agent Store v1.0」をリリースしました。
Agent Storeの目的
Agent Storeは以下の2つの主要な目的を持っています:
- 社内Agent開発の効率向上
- 既存Agentの再利用により開発サイクルを短縮
- テンプレートを活用した迅速な開発を実現
- 技術・ノウハウの蓄積
- 社内のAgent関連技術を一元管理
- ベストプラクティスの横展開を容易に
利用形態と対象ユーザー
Agent Store は、社員が AI エージェントを自由に開発、共有、ダウンロードして再利用するプラットフォームです。
なお再利用に関しては、App Storeのように、ユーザーがエージェントをダウンロードし、自身の環境にデプロイすることを想定しています。
Agent Storeは以下の要素で構成しています。
- 社内で開発したエージェントを共有するGithubリポジトリ
- エージェント開発のCI/CDの仕組み
Agent StoreのGithubリポジトリ
利用形態
Agent Store v1.0では主にAWS Bedrockエージェントをサポートしています。
エージェントのCI/CDプロセスに関しては、IaC (Infrastructure as Code)を基づいて設計しました。
Agent Storeで共有されたエージェントは、CloudformationでデプロイするためのSAMテンプレートの形でAgent StoreのGithubリポジトリ上で格納されています。
エージェントを再利用したいユーザーは、該当するエージェントのSAMテンプレートをダウンロードし、Cloudformation経由で自分の環境にデプロイする形で利用します。
なお、デプロイに関してはGithub Actionsで自動化しています。
エージェントを新規開発したいユーザーに関しても、Agent Storeが提供している空のSAMテンプレートを利用し、素早くエージェント開発することが可能です。
対象ユーザー(v1.0)
- AWS Bedrockを利用してエージェント開発を始めたいエンジニア
- Bedrockで開発したエージェントを社内で共有したいエンジニア
- 既存のエージェントを探して活用したいエンジニア
想定するユースケース
Agent Storeは以下のような利用シーンを想定しています:
- AIエージェントの新規作成
- Agent StoreのCI/CDフローを利用することで開発の高速化を実現
- AIエージェントの共有
- 自作エージェントを社内で共有
- 共有されたAIエージェントの再利用
- 既存プロダクトにAIエージェントを搭載
- 社内業務効率化アプリの開発
- 一からの開発を避け、開発効率の向上を実現
- AIエージェントのPoC
- 既存エージェントをデプロイして迅速にPoC実施
- 効果検証の時間短縮
- AIエージェント開発ノウハウの取得
- 類似事例の参照によるベストプラクティスの学習
- 技術的な障壁の低減
Agent Storeを活用したエージェント開発、共有と再利用のフロー
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エージェントを新規開発するフロー
Agent Storeリポジトリから空のSAMテンプレートを取得し、記入した上でデプロイを行う流れとなります。- SAMについてはこちらを参照してください。
- なお、エージェントのAction Groupを利用する場合、①Lambda、②エージェントの順番でテンプレート記入・デプロイを行う必要があります。
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エージェントを共有するフロー
開発したエージェントのSAMテンプレートを用意し、Agent Storeのリポにプルリクを実行します。エージェントのレビュー担当者にて内容を確認後、問題なければマージを行います。
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共有されたエージェントを新たに再利用するフロー
基本の流れはエージェントを新規開発するフローと共通していますが、Agent Storeで共有されているエージェントのSAMテンプレートを取得し、必要に応じて修正・加筆を行った上でデプロイを行う流れになります。
エージェントのアーキテクチャ
エージェントのアーキテクチャは以下です。
デプロイしたBedrockエージェントは、必要に応じでAction Groupとして設定されたLambdaを呼び出し実行することができる。
また、スタック管理はCloudFormationで行っている。
また、複数のエージェントが協働するマルチエージェントコラボレーションも構築することが可能です。
今後の展開計画
今後は、Agent Storeの利用促進のために、社内勉強会、ワークショップ、ハッカソンなどを多数企画しています。
また、現在のv1.0は「AWS Bedrockの開発経験があるエンジニア(タイプa)」を対象としていますが、今後は段階的に対象ユーザーを拡大していく予定です:
ユーザーの種類 | 詳細 | サポート状況 |
---|---|---|
エンジニア タイプa | AWS Bedrockの開発経験があるエンジニア | v1.0でサポート中 |
エンジニア タイプb | AWS Bedrock以外のエージェント開発環境を利用したいエンジニア | 検討中 |
非エンジニア、エージェント開発初心者 | 開発・コーディング経験がない、非エンジニアの社員 | 検討中 |
まとめ
Agent Store v1.0は、エージェント開発の効率化と知見共有を実現するプラットフォームです。現時点ではAWS Bedrockユーザー向けに機能を提供していますが、今後はより幅広いユーザー層へのサポートを拡大し、様々なエージェントフレームワークにも対応していく予定です。社内のAI開発リソースを最大限に活かし、イノベーションのペースを加速させるため、Agent Storeの機能拡充と進化に積極的に取り組んでいきたいと思います。