QA × AIで切り開く未来 〜アイデア満載のブレインストーミング〜

QAグループの中西です。(技術広報もKINTO FACTORY開発も色々兼務でやっています^^)
今年、私たちKINTOテクノロジーズは「AIファースト」「リリースファースト」を掲げ、QAグループとしてもAIを活用してリリース速度を向上させる取り組みを進めています。
今回は、そんな思いを持つQAメンバーが集まり、
- 「こんなことができると良いな」
- 「こんなことをやってみたい!」
という気持ちをワイワイと語り合うブレインストーミングを行いました。
この記事では、そこで出てきた魅力的なアイデアを紹介し、AIとQAがどのような可能性を持っているのかを皆さんと共有したいと思います。
話し合いで見えた課題
QA業務には日々多くの資料が生成されますが、情報量が多すぎるあまり必要な情報を探すのが大変になっています。また、仕様書もプロジェクトや担当者ごとにフォーマットが異なり、共有が難しくなっています。さらに、インシデントに対する振り返りや予防策の仕組みが整っていないため、問題の再発防止にも苦労しています。レビュー作業についても人的負担が非常に高く、効率化が求められています。
AIで実現できる未来
情報の効率的活用(RAG)
RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、最新の生成AI技術を活用した情報検索・分析の手法です。過去に蓄積された膨大な資料やインシデントのデータから関連性の高い情報を素早く抽出し、適切な情報をユーザーに提示します。例えば、あるインシデントが起きた際、AIが過去の類似事例を瞬時に検索・分析し、即座に役立つ解決策を提示します。まるで、過去の経験を全て記憶している優秀な秘書が、必要なときに瞬時にアドバイスをくれるような活躍を期待できます。すでに金融業界やカスタマーサポート業界などで導入され、顧客対応や問題解決の速度を劇的に向上させています。
仕様・設計の整理と支援
仕様書内の矛盾や抜け漏れをAIが見つけ出し、問題点を明確に整理して提示します。さらに、具体的な仕様書を入力するとAIがその内容を解析し、適切なテストシナリオを自動的に生成します。例えば、ECサイトのカート機能の仕様書を入力すると、AIが「商品追加→数量変更→決済→注文確認」といったシナリオを瞬時に作成。さらに、エラー発生時の対応シナリオや境界値テストシナリオなども自動生成可能です。これにより、人手によるシナリオ作成にかかる時間や手間を大幅に削減でき、QA業務の精度と効率を飛躍的に向上させます。
QAプロセスの自動化と効率化
ユーザー操作ログをAIが分析し、人が見落としてしまいそうな細かなミスも未然に防ぎます。具体的には、ユーザーが頻繁に発生させるエラーや異常操作をAIが抽出し、「特定の画面遷移で起こるエラー」や「入力フォームで頻繁に誤入力される項目」を特定します。これにより、テストシナリオの改善や、潜在的な問題箇所への事前対応が可能になります。また、コンフルでの煩雑なテストケース連番管理をAIが自動化し、手作業による管理ミスや作業時間の大幅な削減を実現します。
インシデント分析と予防
過去に発生したインシデントをAIが分析し、具体的な再発防止策を提示します。例えば、過去にECサイトで起きた「特定ブラウザでの表示崩れ」や「支払い機能の障害」などのインシデントをAIが徹底的に分析。その結果、「特定ブラウザのバージョンごとの挙動確認を定期的に行う」や「決済処理前後のエラーハンドリング強化」といった具体的なアクションを提案します。また、緊急性の高いインシデントが発生した際にはAIが即座にリスクレベルを判定し、迅速な対応が取れるように関係者へ自動通知を行うなど、リアルタイムでの問題解決支援を実現します。
テストデータ作成の効率化
テストに必要なデータをAIが瞬時に生成します。具体的には、新車や中古車のデータ、ユーザー情報など、リアルな業務シナリオに必要な多様なデータを迅速かつ大量に作成可能です。また、SeleniumやAppiumといったブラウザ操作ツールとAIを連携させることで、手動で行っていたブラウザ操作を自動化し、簡単な設定だけで大量のテストデータを短時間で作成できます。この連携により、人的ミスを防ぎつつ、テストデータ作成にかかる工数を劇的に短縮できるため、QAプロセス全体の効率化が実現されます。
ツール連携とプロセス自動化
JIRAやAsanaなどのツールとSlackを連携し、必要な情報をタイムリーに自動通知。多くのツールからの情報を一元化して効率よく管理します。多彩なツールの橋渡し役をAIが担い、プロセスの流れをスムーズにします。
QA専用AIモデルの活用
QA業務専用にチューニングされたChatGPTの活用を検討しています。自社専用のAIモデルを構築することで、AIの応答速度を劇的に向上。さらに、開発者自身がAIを活用して手軽にセルフチェックできる環境づくりを推進します。
今後のアクションプラン
- AIを活用した情報の整理・統合を最優先で開始
- レビュー作業をAI支援で効率化し、人的負荷を軽減
- 専用AIモデルの開発に向けて継続的なデータ収集を実施
- AIによるインシデント分析をプロセス改善に積極的に活用
- 各種ツール間の連携を自動化し、さらなる業務効率化を実現
一人では実現できないことも、みんなで考えることで新しい道が開けます。今回のブレインストーミングで出たアイデアをきっかけに様々なAIを活用したQA活動を行っていきます。AIと共に歩むQAの新たな可能性を一緒に探ったり私たちと一緒に新しい取り組みをしたいQAエンジニアの皆様、カジュアル面談なども受け付けていますのでお気軽にご連絡お待ちしております。
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