初参加でも迷わない!AWS re:Invent 2025の歩き方まとめ

この記事は KINTOテクノロジーズ Advent Calendar 2025 の20日目の記事です🎅🎄
はじめに
ラスベガスで開催された AWS re:Invent 2025に弊社から6名が参加してきました。
世界中からエンジニアが集まり、AWSの新サービスが発表されたり、ワークショップを通じて使い方を学べたりする、年に一度の巨大イベントです。
- 期間:12/1(月)〜12/5(金)
- 参加者数:現地約6万人(うち日本からの参加者は約1,900人)/オンライン約200万人
- セッション数:3,044
※これらの数値は、re:Invent 2025中の公式セッション「Japan Wrap-up Session & Werner's Keynote (GBL105)」(現地時間12/4 14:45-17:30)で発表された公式情報です。
2025年6月に日本で行われたAWS Summit Japan 2025のセッション数が160以上とのことなので、規模の違いが容易にわかります。
この記事では現地に行くまで知らなかったことや、参加して本当に役立ったTipsをまとめています。
来年以降、参加を検討している方の参考になれば幸いです。
準備(持っていってよかったもの)
- 録音機器
セッション中にメモを取る必要がほとんどなくなります。
私はPlaud NotePinをレンタルしました。
録音し、AI要約して整理してくれるので、目の前の内容に集中できます。
なお録音することが不安な場合は、あらかじめ講師やスタッフに確認すると良いです。
私が確認した際には「もちろん!」という回答をもらえました。
- ケトル
いきなりケトル?と思いますが、ラスベガスのホテルでは置いていないところが多い(らしい)です。
朝一番のキーノートに行く方はカンファレンスのご飯を食べていては間に合わない場合もあるので、用意しておくと良いでしょう。
また時差ボケにより、夜活動してしまう人にも便利です。
各セッションTypeの違い
セッションが多すぎてどれを選んでいいか分からない方へ、まずはセッションTypeの違いを意識すると良いです。
Breakout Session
最もオーソドックスな講義形式。新サービスの解説やベストプラクティスなど幅広いです。
人気なセッションはタイトルに[OVERFLOW]と書かれた中継形式のものがありますので、拠点移動が間に合わない場合などはそれに参加するのも手です。
ただし座席間が狭いためPCを広げるのは至難の業でした。どれぐらい狭いかというと、日本の電車の座席より狭く、腕組みしようものなら横の人と当たるレベルでした。
後日YouTubeで配信されるので、優先度が高くなければそれを待つのもありです。
Builder’s Session
講師1人に対して10人程度が参加するハンズオン形式のセッション。事前説明後にハンズオン手順が配られるので、それに従って進めます。
講師との距離が近いので、気になる機能を深掘りしたい方は参加すると良いでしょう。
PC(laptop)が必須です。ハンズオンの手順を見ながら進められるよう、PCとは別に小さなモニターがあると便利です。
自分は過去の参加レポートを見て、iPadを持参して画面拡張できるようにしていました。
日本からの参加者以外ではあまりやっている人はいなかったですが、気にせず広げて問題なかったです。

講師の方も「それいいね!」と思わず感心してました
Workshop
こちらもPCが必須です。
数時間かけて行われるハンズオン形式のセッション。Builder’s Sessionと比べて大規模な部屋に数人の講師がいます。
こちらも講師を捕まえれば質問はできますが、参加者が多く、順番が回ってくるまで時間がかかる場合もあります。
Gameday
こちらもPCが必須です。
テーブルに集まったメンバーで課題を解決することで順位を競うセッションです。
まず講師から事前説明があります。その後、チームメンバーと役割分担しながらゴールを目指します。
自分以外のメンバーと合わず、居心地が悪いと感じたら、席を移動してしまっても問題なさそうです。
実際にそのようにしている方はいました。
他の方の参加レポートでは事前知識不要という方もいますが、私が参加した会ではある程度のインフラ知識が必要でした…
Chalk Talk
少人数の聴衆を対象とした対話形式のセッションです。講師による短い講義と、その後の参加者とのQ&Aで構成されます。実世界のアーキテクチャの課題を中心とした技術的な議論をします。
他のセッションと比べると講師に質問できる時間が多く、また記録にも残らないので、まさに現地に行って参加する価値のあるコンテンツとなっています。
英語に自信がある方はぜひ参加して発言してみてください。
Code Talk
講師が実装しながらサービスについて解説をするセッションです。
Lightning Talk
20分程度の短時間セッションです。
セッションとセッションの隙間時間で聴くことができます。
回り方のTips
会場が異なるセッション移動は1時間見込む
会場が異なるセッションの場合は1時間を見込んでおくと安全です。
ちなみにre:Inventはラスベガスの複数のホテル・コンベンションセンターで同時に開催されました。
北から以下の通りの並びになっており、1つ1つの会場が大きいです。
- Wynn
- Venetian
- Caesars Forum
- MGM Grand
- Mandalay Bay
参加したいセッションが開催されている会場に時間までに向かう必要があります。
1.会場間の移動
まず移動に時間がかかります。移動手段としては以下のものがあります。
- 徒歩
- モノレール
- シャトルバス
- タクシー/ライドシェア
隣り合った会場のWynn↔︎Venetianであっても、徒歩15分程度かかりました。
また各会場間はシャトルバスが走っており、会場出てすぐそばに発着するのでアクセスが良くおすすめですが、運行間隔が15〜20分程度空くこともあります。
ライドシェアの場合は呼べる場所が制限されている場合があり、目の前を乗車場所に指定できないことがあります。

会場前にあるシャトルバス 各会場ごとに分かれている
2.荷物検査
会場に到着しても荷物検査があるので、混雑具合によっては時間を要します。
PCやタブレットを取り出してセキュリティを通過する必要があります。
呼び止められてしまったら、入念に荷物をチェックされます。
3.予約していてもセッション開始10分前には会場へ
re:Inventには「Walk-up」という当日枠があります。
事前予約が埋まってしまっても入れる可能性があるこの枠ですが、セッション開始10分前に予約した人を対象とした受付を一旦締め切り、当日枠の入場を開始してしまいます。
これにより、事前予約していても入れなくなることがあるので注意が必要です。

並ぶ列が予約枠と当日枠で分かれている
1日1つの会場にこもってみる
移動が大変であれば、特定の拠点に1日こもってセッションを梯子するのもアリです。
各会場には朝食・昼食・軽食(コーヒー、紅茶やお菓子など)が用意されているので、食事面も心配ありません。
次のセッションまで時間がある場合は前のセッションの内容を見直すのがおすすめです。
会場の廊下には床に座ってPCを開いている人がたくさんいました。

奥の窓際に人が座っており、各々の作業をしている
新機能について紹介する[NEW LAUNCH]が突如出てくる
re:Invent開催前や期間中、またKeynoteで発表された新機能は、セッションタイトルの頭に[NEW LAUNCH]と記載されているものが突然出てくる場合があります。
気になる新機能の場合はセッション一覧をときどき探してみて、新しく追加されていないか見ると良いでしょう。
SNSで情報を探る
上記のような新機能のセッション情報や、突然始まるSWAG(ノベルティ)配布情報など、SNSで拡散されていることがあります。
気になる新機能のセッションが実は2時間前に終了していたということもあったので、逐一チェックすることをおすすめします。
5日間もあるので頑張りすぎない
セッションを詰め込みすぎると体力を消耗します。
日本からの移動の疲れ、日々の移動の疲れなどが知らない間に蓄積していきます。
楽しむにも体力がいるので、無理せずに行動しましょう。
疲れが溜まった時には認定者ラウンジに行くのもおすすめです。
テーブル席やソファ席などがあり、軽食も用意されています。
会場の廊下で仮眠を取るのは心配ですが、このラウンジでは何人か仮眠している人がいました。

Venetianにある認定者ラウンジ
イベントを楽しむ
AWS公式が企画しているイベントが毎日何かしらあります。
セッションがない朝や夜の時間で開催されているので、息抜き(兼ネットワーキング)に参加してみましょう。
私は4つ参加してみました。
- APJ Kick Off Party
APJ(アジア太平洋・日本)の参加者向けのイベント - ビンゴ大会
- 5k race
チャリティーを目的とした5kのランニング - re:Play
4日目の夜に開催される、セッションに頑張って参加した参加者へのご褒美イベント

朝6時に会場に集まった参加者
コミュニケーションを全力で楽しむ
re:Inventに参加して強く感じたのは、現地で得られる価値の多くはコミュニケーションから生まれていたということでした。
英語に自信があるわけではありませんでしたが、AWSという共通言語があることで、思っていた以上に会話はできました。セッションの感想を一言伝えたり、ふと感じた疑問を質問したりすると、新しい視点や気づきを得られる場面が多かったです。
日本人同士であっても、参加しているセッションや注目しているトピックはそれぞれ異なり、会話を通じて自分1人では拾えなかった情報を得ることができました。
(お酒の場でも名刺を交換するところにも日本人らしさを感じ、嬉しくなりました。)
現地の熱量を最も強く感じられたのも、人と直接コミュニケーションを取っている瞬間でした。
Keynote後のざわつきや、セッション終了後の高揚感は、その場で誰かと共有することでより鮮明に感じられました。
旅の恥はかき捨てという言葉通り、うまく話せなかったとしてもその場限り、それならと遠慮せずにどんどん話しかけて、現地で感じる熱量を最大化するのは良かったと思います。
実際にその体験は、上手く行かなかったこと含め、日本に戻ってからの学習意欲やモチベーションとして確実に自分の中に残りました。
まとめ
re:Inventは「柔軟さ」がカギだと感じました。
参加前は3,000を超えるセッションの中から何を選べばいいか分からず、参加したいセッションは予約開始と同時に埋まってしまう。満足にセッションに参加できないまま終わってしまうのではないか、そんな不安を抱えながらラスベガスに向かいました。
しかし、それは杞憂でした。
Walk-upと呼ばれる当日枠を活用すれば予約なしでも参加できますし、セッションによっては開始後も空席があれば入場できました。「どうせ無理だろう」と諦めず、果敢に挑戦してみることの大切さを学びました。
Gamedayのような参加者同士でコミュニケーションを取る場も、最初は英語力への不安がありましたが、ギリギリ会話ができることを実感できたので参加してよかったです。もちろん、「言いたかったことはそうじゃなかった…」と歯がゆい思いをすることもありましたが、それが「もっと英語を学ぼう」という具体的なモチベーションに変わりました。
5日間、業務を離れて学びに集中できる環境は貴重でした。技術を深掘りし、気になることがあればその場で質問できる、こんな贅沢な場はそうそうありません。そして、これだけ多くのAWSファンが世界中から集まり、熱量を注いでいる光景を目の当たりにできたことも大きな収穫でした。
これから参加される方も、計画通りにいかないことを恐れず、その場その場で新しい選択肢を見つけてみてください。
(2026年は11/30〜12/4と決定しているみたいです。)
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