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As a Mom and a Lead at a Cross-cultural Team

取材対象:李 琳さん
取材対象:李 琳さん
Cover Image for As a Mom and a Lead at a Cross-cultural Team

取材対象

KINTOテクノロジーズ内のグローバル開発部には、多国籍で多様な背景を持つDevOpsチームが存在します。
メンバーそれぞれが得意とする言語、技術、経験は異なりますが、チームとしては非常にスムーズに仕事を進められています。
今回は、そのチームリーダーである李さん(Flyway記事の作者 )に取材を行いました。多国籍チームの運営に興味があれば、ぜひご一読ください。

自己紹介とチーム状況紹介

自己紹介

KINTOテクノロジーズグローバル開発部でDevOpsチームリーダーをしています、李です。
卒業後、日本のメーカーのIT子会社で5年間働きました。その間、社内の共通言語が日本語だったため、日本語や日本の文化、さらには異文化とのコミュニケーションスキルを学びました。当時は、Webアプリケーションの開発、設計、評価から始め、システムエンジニアとプロジェクトマネージャーとしての経験を積みました。開発経験だけでなく、開発プロセスとマネジメントの知識も身につけました。
その後、大学で3年間講師を務め、新しい技術と教育学を学びました。これにより、効率的な学習方法についても理解を深めました。
日本に移住した後、次女が保育園に入園したのをきっかけに、IT分野に復職しました。
これまでの異文化コミュニケーションスキルや開発経験、マネジメント能力や人材育成の経験を活かし、現在はグローバル開発部でDevOpsチームのリーダーを務めています。

チーム状況紹介

現在、私たちのDevOpsチームはCI/CD、インフラ、テストの3つのサブチームで構成されています。チーム内6人が下記のように、国籍も専門分野もそれぞれです。
DevOpsチーム設立当初からの理念は、あえて異なるスキルセットを持つメンバーを組み合わせることで、アプリケーション開発チームをサポートすることです。

No. サブチーム 前職経験 国籍 英語力 日本語力
1 CI/CD 開発、プロジェクト管理、品質保証、システム設計 中国 B B
2 Infra Infraエンジニア、プロジェクト推進、インテグレーション、設計 中国 C A
3 Infra Infraエンジニア、開発、プリセールス 中国 C B
4 Test ネットワークエンジニア、プロジェクト管理 ニュージランド A C
5 Test 開発エンジニア インド A C
6 Test テスト、開発、設計 ミャンマー B C

*語学力:
A:細かいニュアンスまで再構成して表現できる
B:幅広い複雑な話題でも議論可能
C:自分の考えとその理由を表現できる
D:日常会話可能

Q&Aコーナー

多様な言語、文化、技術背景を持つチームの日常業務は、想像しにくいかもしれません。
そこで、今回はチームリーダーの李さんにいくつか質問をしてみました。ここではQ&A形式でまとめ、チームの様子を少しでも皆さんに伝えられればと思います。

Q&Aその1

  • 質問: チーム内に様々な専門経験を持つメンバーがいる中で、皆をDevOpsチーム共通の目標に向かわせるにはどのようにしていますか?

  • 回答: 私たちは、下記のようにチーム内で明確なロードマップを共有し、それに基づいて目標を具体的にし、メンバー全員が同じ方向を目指すようにしています。
    チーム内には、品質保証をしたい人、インフラを担当したい人、開発に携わりたい人など、様々な希望を持つメンバーがいます。私たちは、それぞれの強みや志向を理解し、皆が納得できるロードマップの作成に努めています。
    ロードマップ(例)
    ロードマップ(例)

Q&Aその2

  • 質問: チーム内の7人は4つの異なる母国語を話します。コミュニケーションにはどの言語を使用していますか?文書やメッセージはどうですか?

  • 回答: 口頭でのコミュニケーションや文書の作成は、その人が得意とする言語(英語または日本語)を使用しています。
    チーム全員が英語を理解できるため、メッセージは主に英語で送信しています。また、理解を深めるために翻訳ツールの利用も推奨しています。
    多言語コミュニケーションでは、発表者がゆっくりと話し、簡単な単語を使用するよう努め、わからないことはすぐに質問する雰囲気を作っています。

Q&Aその3

  • 質問: 文化的にも技術的にも多様なチーム内での知識共有はどのように進めていますか?

  • 回答: 私たちのチームでは知識共有を重視しており、下記の三つの方法を用いています。

期間 手段 内容 目的
アイスブレーキングフェーズ 各メンバーの専門分野について知識共有会 今までの領域の知識 お互いに理解し、自身の知識を広げること
配属から一年後 オンラインコース学習(Udemyにある自動テストツールやマイクロサービスアーキテクチャなどのコース) 仕事に使うスキルで足りない部分(システムアーキテクチャとか、自動テストツールとか、AWSとか) 今の仕事上必要なスキルの向上
随時(異なるタスクが終わった後) ドキュメント化して残す 手順やノウハウなど(自動テストのブロック ) 将来横展開しやすくするため

Q&Aその4

  • 質問: 母親として、異文化間のチームをリードするのは難しいですか?

  • 回答: 私が母親であることに対して、チームは非常に理解があり、親切です。グローバル開発部の文化として、多様性を尊重し、互いに敬意を払い、適切な距離感で接しています。自分は小学生の子供を2人持っており、学校行事への参加が必要な時、チームメンバーは日程調整やタスクの再配分を通じてサポートしてくれます。
    例えば、最近家族全員がインフルエンザにかかった時、約2週間出勤できませんでしたが、チームメンバーが積極的に業務を引き受け、私の負担を軽減してくれました。
    そのサポートにはとても感謝しています。

Q&Aその5

  • 質問: 多国籍なチームを管理する際、どのようにして様々な標準(労働倫理やプロフェッショナルな基準など)を統一し、メンバーのモチベーションを維持しつつ、一定水準の成果を出すことができますか?

  • 回答: 異文化の合理性を認め、尊重することが重要です。私自身も外国出身であるため、日本と海外の慣行の違いを理解しており、この視点からチームに説明することができます。ここは日本なので、基本的には日本の標準を遵守していますが、外国人の視点からの解説も提供しています。
    また、管理学やPMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)などの知識を活用し、業界共通のやり方を取り入れています。
    チームでは、メンバーに広範な裁量を与え、彼らが望む仕事を行うことでモチベーションを維持することを重視しています。

最後に

  • 質問: こういった多国籍なチームをまとめる上で、李さんが一番大事にしていること、または工夫しているところは何ですか?

  • 回答: やはりコミュニケーションが最も重要だと思います。PMPの理念に沿っています。私たちのチームでは、皆が明確かつ具体的に自分の考えを伝えることを心掛けています。仕事の中で、いつも「5W1H」を用いてコミュニケーションを取っています。また、異なる考え方にも敬意を払います。基本的に、人々が異なるということを認識した上でコミュニケーションを行っています。

  • 質問: チームメンバーからもサポートがもらえるのは信頼があるからだと思います。その秘訣はありますか?

  • 回答: 普段の業務では、私自身もメンバーのサポートと指導に意識的に取り組んでいます。メンバーがそれぞれの目標を達成できるよう協力しています。私たちは一つのチームとして、各々が欠かせない一員であり、共に目標達成を目指しているため、リーダー・メンバーというポジションの関わらず、お互いにサポートし合えているのだと思います。やはり素直な心が必要だと思います。

まとめと今後の展望

この記事ではグローバル開発部DevOpsチームのリーダーである李さんにインタビューをし、多国籍なチームでの異文化間コミュニケーションや知識共有の方法、母親とチームリーダーのバランス、そして多国籍なチームのマネジメントなどについて取り上げました。

最後の回答にあったように、多様な背景を持つチームであっても、常に「人は異なる」ということを意識し、異なることに敬意を払い、5W1Hなどを通じて考えをわかりやすく伝える。こういったことの積み重ねによって信頼が生まれ、同じ目標に向かって効率的に互いをサポートし合えることがわかりました。これは決して多国籍なチームだけではなく、同じ国籍であっても同じことではないでしょうか。
多様な背景を持つチームのマネジメントに悩んでいる方にとって、この記事が少しでも参考になると幸いです。

今後、DevOpsチームは事業の展開やテクノロジーの進化に伴い、さらなる挑戦に直面することでしょう。
しかしこれまでの取り組みと、多様性を受け入れられるチームの精神があれば、どんな障害も乗り越えていけると、チームの今後の成功と成長に期待しています。

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