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オリエンテーション

ITオリエンテーションとその改善について

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ITオリエンテーションとその改善について

はじめに

KINTOテクノロジーズ(KTC)のコーポレートITでは、グループ会社のIT業務支援も行っています。
私は現在、グループ会社にてヘルプデスク業務の支援を担当しており、その中で新規入場者向けのITオリエンテーション(以下、オリエン)も実施しています。
その中で、PCとスマホの取り扱い方法や業務環境の説明や初回のパスワード変更をサポートしております。
他社のIT部門がどのようにオリエンを行っているかを知る機会は少ないと体感しているので、少しでも参考になればと思い記事にまとめました。


背景と課題

オリエンは月に1〜2回の頻度で実施されています。
これまでは、担当者の経験と知識に依存した運用で、資料はなく、簡単なメモ(いわゆる“あんちょこ”)のみが存在していました。
もともと1人でヘルプデスク業務を担っていたため、資料化の必要性がなかったという背景があります。
しかし、属人化から脱却し、組織として対応できる体制を目指すために私がジョインし、改善に取り組むことになりました。
(正直なところ、オリエンを担当した初日、「これはつらい…」と感じたのが一番のきっかけです(笑))


オリエンのゴール設定

業務においてPCがない環境というのは考えられないため、よりスムーズに業務に入っていただけるように 「会社PC・スマホを使える状態になっている」「自社のおおまかなPC環境を理解している」 状態になってもらう。をゴールとして設定しました。
改善についても、参加者がよりゴールに達成しやすくなるように行いました。


実施した改善

改善は主に以下の2点に取り組みました。

1. 資料化

これまでのメモをベースに、説明内容を体系的に整理し、資料として整備しました。
システムの説明や注意点を網羅し、説明漏れがないように構成しています。
また、略称が多く使われる環境のため、資料内で都度解説を加えるようにしました。
さらに、以下の工夫も取り入れています。

アイスブレイクの工夫

入場者は緊張していることが多く、理解力や質問のしやすさに影響します。
そこで、ヘルプデスクメンバーの自己紹介を資料に盛り込み、趣味や好きなことを「ゆるめ」に紹介することで、親しみやすさとリラックス感を演出しています。
支援先は堅めな会社なので、盛り込むのには勇気が必要でしたが、より効果的に行うにはこれが必要だ。という信念をもとに対応しました。

想いの表明

我々が「社内のサポートメンバーとして、ビジネスを止めないために活動している」ということを、熱量高めに伝えるようにしています。
「困ったら遠慮なく頼ってほしい」というメッセージは、問い合わせの増加による稼働超過。過度な依存につながる懸念もありますが、サポート部門としての存在価値は、頼られることにあると考えています。
良好な関係性が築けていないと、我々起因で仕組みを変えたりする際のヒアリングや、課題解決がスムーズに進みません。
また、親密感を持ってもらうことは、結果的に不要な問い合わせを減らしたり、トラブルの解決時間削減の効果もあると感じています。

講師もわかりやすい資料化

属人化脱却のためには、講師をやる難易度も下げる必要があります。
そのため、参加者にとってもわかりやすいだけでなく、講師にとってもわかりやすい資料にする必要があります。
その際に工夫したのは下記の2点です。

説明の流れを意識

オリエンの中で、PCのパスワード変更があるのですが、それをスムーズにするため、以下の順序で資料を整理しました。

  1. 業務スマホのロック解除して使える状態にする
  2. スマホの初期パスコード変更と生体認証設定
  3. PCへのログイン(スマホを利用した多要素認証解除)
  4. PCパスワードの変更

この順番にすることで、必要となる操作が一本道となり、参加者も講師も迷いなく進められます。

1ページ1コンテンツ

1ページに詰め込みすぎず、「このページで何を説明するか」を明確にしました。
これも参加者は理解しやすく、講師も話す内容を把握しやすくなります。


2. 振り返りの仕組み

オリエン終了後、なるべく早くチームで振り返り会を実施しています。
記憶が新しいうちに、KPTA(Keep・Problem・Try・Action)のフレームワークを使って小さなところでも改善点を洗い出し、次回に活かしています。
改善案(Action)はチームのタスク管理に組み込み、漏れがないようにしております。
この振り返りで改善をし続けています。

具体的には、下記のようなActionを実行しました。

  • 順番を入れ替えることで重複の説明を排除した
  • 参加者にも簡単な自己紹介をしてもらうことで、同期間のコミュニケーションを促進した

オリエンテーションの内容

改善後のオリエンでは、以下のような内容を説明・実施しています。
時間としては、1時間をとってもらっております。
雑談や質問の時間もとっており、はじめての緊張を和らげつつ、自社の環境について知ってもらう時間としております。

  1. メンバーの自己紹介
  2. 業務環境(VDI)の説明
  3. 初回ログインとパスワード変更
  4. 機器取り扱いの注意点
  5. サポート窓口の案内

やってみて感じたこと

参加者からは「今までこんなに楽しい説明会はなかった」といった感想をいただくことが増えました。
特に、我々の自己紹介をきっかけに声をかけてもらえることが多くなり、関係性の構築にもつながっています。
また、特定のメンバーに依存せず、誰でもオリエンを担当できる体制が整い、組織としての対応力も向上しました。


さいごに

オリエンの参加者は、緊張や不安を抱えていることが多いです。
業務に欠かせないPCやスマホも、会社ごとに環境が異なるため、初めてその会社の機器に触れた際に戸惑うところが多いのは当然だと思います。
KTCのようなITのプロ集団でも戸惑われる方がそれなりにいらっしゃるので、IT専業ではないグループ会社ではなおさらです。
また、活躍を期待されて入場しているので「うまくできない自分を見せるわけにはいかない」という心理はとても強く働き、質問や相談がしづらくなります。

だからこそ、 「誰でも最初はうまくできない」「ITのプロである私も失敗した」 ということを積極的に伝え、安心して頼ってもらえる雰囲気づくりを心がけています。

ITオリエンテーションは様々な立場の方に実施するため、我々の存在を認知してもらい、頼ってもらえる関係性を築いていくための第一歩になるものだと思います。
こういうところから、組織でのIT活用の促進、ひいては事業の加速にまでつながっていると信じています。

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