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月1回、全社横断の合同勉強会を1年以上続けるために実践した4つのこと

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はじめに

Platformグループのtetsuです。
本記事では、KTCで実施している全社横断の合同勉強会の運営に関する内容をまとめます。

この合同勉強会は毎月開催され、毎回50人以上の方が参加しています。
継続するための工夫やコツをまとめましたので、「社内で勉強会を開催したい方」「これから始めたい方」必見です!

勉強会の概要

  • 開催頻度:月1回
  • 形式:ハイブリッド(オフライン・Zoom)
  • 規模:約50〜100名
  • 特徴:
    • 全社の様々な部署から登壇者が集まる
      • エンジニア、デザイナー、ディレクター、人事メンバーなど
    • 1人あたり10〜15分の発表 × 3人で計1時間
    • 勉強会後に登壇者と話せる交流会を実施
    • テーマを問わず、登壇したい人が登壇できるようにする
      • 過去の登壇テーマ例
        • 直近でリリースのあったプロジェクトの内容共有
        • 社内向けに作成したツールの宣伝
        • 特定テーマ会(Figma勉強会、クリエイティブ関連の生成AI、セキュリティ、QA など)
  • タイムテーブル
17:05~17:10 オープニング
17:10~17:25 発表1
17:25~17:40 発表2
17:40~17:55 発表3
17:55~18:00 クロージング
18:00~19:00 交流会(任意参加)

開催雰囲気

勉強会の実施背景

勉強会が開催される以前は元々はKTC内の各グループで勉強会やオリエンテーションが開催されていました。ただ、他部署や業務で関わりが少ないチーム間ではお互いのノウハウが共有されにくい状況であり、そこに課題を感じている人たちがいました。

そこで、「関わりが少ないチームや他部署間で良いノウハウを共有しあえる場所を作りたい」「部署やチーム間の連携を高められる場所を作りたい」という目的意識から、合同勉強会の発足に至りました。

勉強会を継続するのって意外と大変

ただ、上記のような実施背景は多くの企業で持ちながらも、社内勉強会が立ち上がっては消えていくことが多いと思います。
私たちも15回以上継続できていますが、決して順風満帆ではありませんでした。

一般的に、そして私たちも実際に直面した「継続を阻む壁」は以下のようなものです:

  • 運営の属人化: 特定の人に負担が集中し、その人が異動・退職すると立ち行かなくなり、運営工数が上がってしまう
  • ハイブリッド開催の難しさ: オンライン・オフライン両方を満足させるのは想像以上に難しい
  • 参加者の固定化: 最初は盛り上がるが、徐々に参加者が固定化されていく

これらの課題に対して、私たちは以下の4つの工夫を実践してきました。

継続するための工夫・コツ

工夫1: 運営タスクの標準化とローテーション制

運営の属人化を防ぐために、工夫している内容は以下の通りです。

  • やるべきタスクを洗い出し、チケットにして管理
  • チケットの担当者を毎月運営メンバー内でローテーションでアサイン

1点目の「やるべきタスクを洗い出し、チケットにして管理」については、JIRAの「自動化」機能を使い、合同勉強会を実施するためのチケットを自動で作成するようにしています。これにより誰でも運営に必要なタスクを把握することが可能です。

2点目の「チケットの担当者を毎月運営メンバー内でローテーションでアサイン」については、「司会」「会場準備」「調整」の3分類のタスクをローテーションするようにしています。ローテーションすることで運営メンバーが全部のタスクを経験することになるため、属人化を防ぐことができています。

勉強会の運営をするにあたり、運営が疲弊して頓挫してしまうケースも少なくないと思います。KTCの合同勉強会では、運営工数を減らせるように標準化しています。

※JIRAのチケットは以下のように切っています。
JIRAのチケット一覧

工夫2: 全社員が参加しやすい環境づくり

参加者が固定化したり、オンラインで参加する人のエンゲージメントが低くなってしまうことがあると思います。勉強会は聞くだけでなく、聞いた内容をもとに意見を言い合えるとより効果があると考えているため、これらは課題になります。これらを防げるように以下のように工夫しています。

  • 全社員のOutlook カレンダーに勉強会を登録
  • 会社にある全社員が利用できる交流スペースで実施
  • オンラインの人でも参加しやすいようにワイガヤ(雑談・意見交換)用のSlackチャンネルを用意し、運営も積極的にワイガヤする
  • 月初など忙しいタイミングの開催は避ける

勉強会に参加することがゴールではなく、勉強会への参加を通じて業務知識や技術力の向上に繋がることが大事ではあると思いますが、勉強会に参加しないと始まらないので、参加しやすくすることは大切です。

⇓ワイガヤ用のSlack
ワイガヤ

工夫3: アンケート要望に応える

当たり前かもしれませんが、アンケートでいただいた要望には応えるようにします。
例えば、アンケートには次のようなものが届きました。

  • 「業務仕様をどうやって決めているのかが知れるような事例を聞きたい」
  • 「発表の無いときの会場がすごく静かなので、BGMとかあってもよいかなーと思いました」
  • 「交流会で提供されるお菓子に塩辛いものが欲しい」

勉強会のテーマに関わる要望、会場の雰囲気をいい感じにしてほしい要望、など色々と要望をいただきますが、それぞれ目を通して、その背景を考えながら要望に応えるようにします。

  • 「業務仕様をどうやって決めているのかが知れるような事例を聞きたい」

    ⇒ プロジェクトマネージャやプロダクトマネージャ、プロデューサーがこういった業務要件を検討するので、これらの人から多角的に聞けるといいかもしれない!あとエンジニアの人から来てそうな要望だから、エンジニア <-> 業務仕様を決める人たちのいい接点が生まれる場にできるといいなあ。

  • 「発表の無いときの会場がすごく静かなので、BGMとかあってもよいかなーと思いました」

    ⇒ 確かに、無言の時間って気まずい・・。BGMも改善したほうがいいし、司会の人が間を繋いで気まずい時間が流れないようにしよう!

  • 「交流会で提供されるお菓子に塩辛いものが欲しい」

    ⇒ 味が偏っているかもしれない。塩辛いの追加してみよう!

工夫4: 継続的な改善サイクル

上記の工夫たちは勉強会を開催後に運営メンバー内で振り返りをした結果として生まれたものです。
KTCの合同勉強会の運営では以下の表のようにKPT 法を利用して振り返りを行い、「良いことを継続」「問題は再発しないように改善」を続けています(この改善を通じて、運営のJIRAチケットに反映されるものが増えています)。

カテゴリ Keep(良い/上手い/続けたい) Problem(問題だ/課題だ/困った) Try(次回こうしたい) 当日議論
全体的に 特定のテーマに沿って実施したのが初。今後も何回か実施しても良いと思う 火曜の17時だと人の集まり悪いかも 開催時間を変更する ・・・
前日までの運営 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
当日準備/片付け ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
発表の部 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
交流会の部 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
アンケート ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

勉強会を1年以上続けてきた嬉しい効果

勉強会を継続してきたことで感じた嬉しい効果を紹介します。

  • 他部署の人と意見交換ができたり、プロデュースできる場となってる
    • 社内共通ツールやセキュリティ関連部署など、社内横断で仕事をする人たちから特に「意見交換ができて嬉しい」というコメントをもらえます
  • 社員からの登壇や部署ごとのコラボ勉強会の要望が増えて勉強会ネタに困らなくなってきた
    • 「外部登壇の練習をしたい」「プロジェクトを推進するのに新しい開発手法を入れてみたから話してみたい」など、いろいろな要望をいただきます
    • 運営自身で登壇することはせず、登壇者を募って実施する形式にしており、いろいろな要望に応えられるようにしているので、ネタには困っていない状態です

最後に

最後に、勉強会に参加される方々は、他にできることがある中で貴重な時間を割いて参加してくれています。その期待に応えられるよう、私たちは質の高い勉強会の提供を心がけています。

もちろん、最初から完璧な運営ができるわけではありません。大切なのは、まず一歩を踏み出すこと。そして参加者の声に耳を傾け、振り返りを重ねながら、継続的に改善していくことだと考えています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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