顧客の声を深く理解するために「ユーザーインタビューわいわい会」を試してみた

こんにちは。KINTOテクノロジーズ(KTC)でKINTOの中古車ECサイトのディレクターをしているかーびーです。
KINTO 中古車とは、「KINTOの新車返却車両」の中から状態の良いクルマのみを、クルマのプロが厳選して提供する「高品質な中古車サブスクリプションサービス」です。
今回は、KINTOの中古車に関わる有志のメンバーで試験的に実施した「ユーザーインタビューわいわい会」の取り組みと、そこから得られた気づきや学びについてご紹介します。
「ユーザーインタビューわいわい会」とは?
私たちは、ご契約いただいているお客様が、どのような点に魅力を感じているのかを深く理解するため、継続的にユーザーインタビューを実施しています。
ただ、インタビュー担当者のハイライトや要約だけでは、お客様の姿や言葉の裏にある「熱量」といった生の声を、インタビューに参加していないチームメンバーには十分に伝えきれない場面があります。
そこで、メンバーそれぞれが直接お客様の声に触れ、課題への解像度を揃えることで「チームの温度感をより高めたい!」と考えました。そこで試験的に実施したのが、ユーザーインタビューの録画動画をみんなで視聴し、ディスカッションする会です。

KINTOの中古車に関わる有志メンバー13名で実施
「ユーザーインタビューわいわい会」の概要
今回はお昼の時間帯を使っての実施だったため、視聴しながら参加できるようにランチもあわせて用意しました。
実際の流れ(約60分間)
今回はテスト実施として、以下の時間配分で行いました。
- ユーザーインタビューの視聴:約35分
- 個人ワーク:約5分
- テーブルごとに共有:約15分
- 全体振り返り:約5分
結果として、共有や振り返りの時間がかなりタイトになりました。
特にテーブル共有では、話が盛り上がったところで時間切れになる場面もあり、「もっと話したかった」という声も聞かれました。
意識したポイント
発言力やドメイン知識の差によって意見が偏らないよう、「まず一人で書く→その後に共有する」という流れを採用しました。
また、普段はお客様の行動データ(定量)を見ていますが、数字だけでは「なぜその行動をしたのか」までは分かりません。そこで今回は、データから立てた仮説を事前に配布し、インタビュー(定性)で検証する形をとりました。「定量では見えないこと」に自然と目が向くような設計を意識しています。
定量→定性で見えたこと(仮説検証の例)
例えば、あるお客様のデータからは「車種Aを複数お気に入り登録していたが、最終的に車種Bで契約した」という事実が見えていました。
- 仮説1: 納期や価格を優先し、Bの車種に切り替えたのではないか?
- 結果: インタビューを通じて、こちらは概ね仮説通りであることが確認できました。
一方で、データだけでは読み解けなかった大きなギャップもありました。
- 仮説2: 初回訪問から数十時間で契約しているため、納期最優先で即決したのではないか?
- 結果: 仮説は外れていました。 実際には、数ヶ月にわたって外部サイトで徹底的にリサーチを重ねた「熟考の末」の訪問でした。
- 真相: 納期も要素のひとつではありましたが、最終的な決め手は「サービスとしての信頼性」。納得感が醸成されたタイミングでサイトを訪れたため、結果として「即決」というデータとして現れていただけでした。
このように、定量データだけでは見えない「意思決定の背景」や「迷いのプロセス」が、生の声を聞くことで具体的に浮かび上がってきました。

「ユーザーインタビューわいわい会」を実施してみて
① お客様の判断の瞬間を共有できた
本会終了後のアンケートでは、参加者全員から「印象に残った瞬間があった」という回答が得られました。
たとえば、 「KINTOって、Webで申込完結・車両保険も月額に入ってこの価格なんですよね?」「想像していたより、含まれているものが多いですね」 といった発言があり、サービスの説明を受ける中で、想定していたよりもコストパフォーマンスが高いと感じた様子が率直に語られました。
さらに、トヨタの正規販売店による整備・メンテナンスが月額料金に含まれている点について、車両トラブル時にすぐ対応してもらえたというエピソードも挙がり、購入後の体験にも満足していることがうかがえました。
こうした一連の声から、中古車であっても「安心して使える体験」と価格のバランスが、意思決定において重要な価値として受け取られていることを直接確認でき、チームにとって確かな手応えにつながりました。

② 次の仮説が自然と生まれた
ユーザーインタビュー視聴後には、
- 車の知識レベルによって、選び方はどう違うのか?
- コストパフォーマンスを、どの要素で評価しているのか?
- 他社との比較は、どの程度行われているのか?
- 契約前に家族とどのような会話をしているのか?
- 「中古車」というワードにどのような印象を持っているのか?
といった問いや気づき、仮説が60件以上集まりました。
感想で終わるのではなく、次の仮説やアクションにつながる問いが、さまざまな職種のメンバーから自然に生まれたことは、実務につなげやすい状態をつくれたという意味でも、大きな収穫でした。
③ チームに共通言語ができた
本会後の会議では、 「ユーザーインタビューのお客様も同じことをおっしゃっていましたが…」 といった会話が出るようになりました。
顧客像を共通の根拠として会話できる状態が生まれ、これを積み重ねていくことで、議論のスピードや精度も高まっていくのではないかと考えています。
参加者の声(一部抜粋)
「アンケートだけでは本質的なニーズや背景に十分に踏み込めない場合があると感じました。直接ヒアリングの機会を持つことで、課題の根底にある思いや具体的な状況をより深く理解できることに気づきました。」
次回に向けて
今回はテスト実施という位置づけで、60分という限られた時間の中で実施しました。取り組みとしての有用性を確認できた一方で、次回に向けて磨いていきたい点も見えてきました。
次回は、以下のような点を中心に改善を進めていく予定です。
- ディスカッション時間の拡大
- 参加人数を増やし、より多様な視点を集める
「時間が足りなかった」という声は、それだけ共有したい気づきが多く生まれていたということでもあると感じています。この熱量を、次回の場づくりにつなげていけたらと思います。

「ユーザーインタビューわいわい会」からの気づき
今回の「わいわい会」を通じて、職種や視点が異なるチームで前提を揃えていくための、いくつかの気づきがありました。
共通言語と「翻訳」の存在
モビリティ業界という特性上、私たちのチームには多様な専門性を持つメンバーが集まっています。立場によって言葉の捉え方が異なるのは当然ですが、自分自身、どこかで 前職のような少人数チームでの「阿吽(あうん)の呼吸」 を前提にコミュニケーションを組み立てていた部分があったと、改めて気づかされました。
今回、大人数で対話をする中で気づいたのは、これまでは誰かが言葉のギャップを埋める「翻訳」を自然に担ってくれていたのではないか、ということです。チームの規模や多様性が増すほど、個人の属人的な「翻訳」に頼るのではなく、一次情報という「共通の土台」を仕組みとして提供することが重要になると実感しました。
「一次情報」が対話の質を変える
伝え方のスキルを磨くことも大切ですが、それ以上に 「同じ一次情報を共有すること」自体が、前提を揃えるうえで非常に有効だと再確認しました。今回の「わいわい会」のように、ユーザーの声を「一緒に体験する」形を続けていくことで、以下のような効果を得られそうだと感じています。
- 解釈のズレを未然に防ぐ: 同じ体験を起点にすることを繰り返すことで、チーム内の前提の食い違いが起きにくくなる。
- 多角的な視点を仕組みとして取り入れる: 職種や背景の違いから、一人では気づけない観点が自然と集まる。
- 対話のハードルが下がる: 「あの時の、あのお客様のことば」という共通言語が増えていくため、その後の議論がスムーズになる。
こうした小さな積み重ねを大切にしながら、対話の輪を少しずつ広げていけたらと思います。
おわりに
今回の「ユーザーインタビューわいわい会」は、社内で進められているユーザーファーストの取り組みとも、自然につながる実践でした。
ユーザー理解をチームにどう広げ、実務にどう落とし込んでいくか。その一つのヒントとして、この「わいわい会」の形も引き続き試していけたらと思います。
ユーザーファーストに関する全社的な取り組みについては、以下の記事でも紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
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